有痛性外脛骨は、足の内側にある「外脛骨」という過剰骨の周囲に痛みが生じる疾患です。特に成長期の小学生高学年から中学生頃に症状が現れやすく、スポーツ活動をきっかけに痛みが強くなることがあります。

「土踏まずの少し上が出っ張って痛い」「走ると足の内側が痛い」「靴が当たると痛い」といった症状が特徴です。

外脛骨そのものがあっても痛みのない方は多く、外脛骨があるだけで治療が必要なわけではありません。当院では整形外科専門医・スポーツ医が診察し、痛みの原因や足部の状態を評価したうえで、スポーツ活動や競技復帰まで考えた治療をご提案します。

有痛性外脛骨とは

外脛骨(がいけいこつ)とは、足の内側に存在する「過剰骨」の一つです。

通常の骨格には必ずしも存在しない骨ですが、一定数の方にみられます。

外脛骨は、足の舟状骨という骨の内側に存在し、土踏まずを支える重要な筋肉である**後脛骨筋の腱(後脛骨筋腱)**が付着する付近にあります。

外脛骨が存在するだけでは病気とはいえません。

スポーツなどによる繰り返しの負担や靴による圧迫などによって外脛骨周囲に痛みが生じた状態を**「有痛性外脛骨」**といいます。

有痛性外脛骨の主な症状

足の内側が痛い

代表的なのは、土踏まずの上あたりにある足の内側の痛みです。

外脛骨の部分を押すと痛みを感じることがあります。

足の内側が出っ張っている

外脛骨があると、足の内側に骨の出っ張りが目立つことがあります。

左右両方に外脛骨があっても、痛みは片側だけということもあります。

運動すると痛くなる

ランニングやジャンプなど、足に繰り返し負担がかかるスポーツによって痛みが強くなることがあります。

特に、

  • サッカー
  • バスケットボール
  • バレーボール
  • 陸上
  • 野球
  • ダンス

など、走る・跳ぶ動作の多い競技で症状が出ることがあります。

靴があたって痛い

外脛骨の突出部分に靴が当たり、圧迫されることで痛みや赤みが出る場合があります。

なぜ成長期に痛くなりやすい?

有痛性外脛骨は、特に成長期のスポーツ選手に多くみられます。

成長期では骨や筋肉・腱などが発達する過程にあり、スポーツによる繰り返しの負担が加わることで外脛骨周囲にストレスがかかることがあります。

また、外脛骨付近には後脛骨筋腱が付着しているため、ランニングやジャンプなどによって後脛骨筋が繰り返し働くことも、痛みに関係すると考えられています。

有痛性外脛骨と扁平足の関係

有痛性外脛骨では、扁平足を伴っていることがあります。

後脛骨筋は足の内側縦アーチ(土踏まず)を支える働きを持っています。

扁平足など足部のアーチ構造に変化がある場合、歩行やスポーツ動作の際に外脛骨周囲や後脛骨筋腱へ負担がかかることがあります。

そのため、有痛性外脛骨では痛む場所だけでなく、

  • 土踏まずの状態
  • かかとの向き
  • 足関節の柔軟性
  • 下肢の筋力・柔軟性
  • スポーツ動作

など、足部から下肢全体を評価することが重要です。

有痛性外脛骨の診察・検査

診察

外脛骨周囲の突出や圧痛、腫れなどを確認します。

また、足部の形態、土踏まず、足関節の可動域なども評価します。

レントゲン検査

レントゲン検査によって外脛骨の存在や形態を確認します。

外脛骨にはいくつかのタイプがあり、舟状骨との位置関係などを評価します。

MRI検査

症状が強い場合や他の疾患との鑑別が必要な場合には、MRI検査が有用なことがあります。

必要と判断した場合には、撮影可能な医療機関と連携します。

有痛性外脛骨の治療

運動量の調整

痛みが強い時期には、ランニングやジャンプなど痛みを誘発する運動量を一時的に調整します。

必ずしもすべてのスポーツ活動を長期間禁止するのではなく、痛みの程度や競技内容を確認しながら活動量を調整することが重要です。

薬物療法

痛みや炎症が強い場合には、症状に応じて消炎鎮痛薬や外用薬などを使用します。

装具・インソール

扁平足など足部の形態が症状に関係している場合には、インソールなどを用いて足部への負担を調整することがあります。

リハビリテーション

足部だけでなく、足関節や下肢全体を評価し、症状に応じた運動療法を行います。

当院で行う運動器リハビリテーション

スポーツをしている成長期の患者様では、単に痛みを取るだけでなく、なぜその場所に負担が集中しているのかを評価することが大切です。

当院では理学療法士が、

  • 足関節の可動域
  • 足部アーチ
  • 下腿の柔軟性
  • 下肢筋力
  • バランス
  • ランニング・ジャンプなどの動作

を症状や競技に応じて評価します。

「痛みがなくなったからすぐ全力で復帰」ではなく、段階的に運動強度を上げ、競技復帰と再発予防を目指します。

スポーツは休まないといけませんか?

有痛性外脛骨と診断されたからといって、すべての方がスポーツを完全に休む必要があるわけではありません。

痛みの程度や競技内容によっては、練習内容や運動強度を調整しながらスポーツを継続できる場合もあります。

一方、歩くだけでも痛い場合や運動後の痛みが強く残る場合などには、一時的に負荷を減らす必要があります。

当院では、「スポーツをする・しない」の二択ではなく、どの程度まで活動できるのかを患者様と相談しながら判断します。

手術が必要になることはありますか?

有痛性外脛骨の多くは保存療法で治療します。

しかし、十分な保存療法を行っても強い痛みが続き、スポーツや日常生活に大きな支障がある場合には、手術が検討されることがあります。

手術では外脛骨を切除する方法などが行われます。

手術が必要と判断した場合には、適切な専門医療機関へご紹介します。

このような症状はご相談ください

  • 土踏まずの上あたりが痛い
  • 足の内側に骨の出っ張りがある
  • 出っ張った部分を押すと痛い
  • 走ると足の内側が痛む
  • ジャンプすると痛い
  • 靴が当たって痛い
  • スポーツをすると繰り返し痛くなる
  • 扁平足も気になっている

特に成長期のお子様では、「成長痛だろう」と自己判断せず、スポーツ時の痛みが続く場合には一度整形外科で原因を確認することをおすすめします。

当院の特徴

当院では、整形外科専門医・日本整形外科学会認定スポーツ医が有痛性外脛骨をはじめとした成長期のスポーツ障害を診療しています。

痛みのある外脛骨だけを見るのではなく、足部の形態、足関節の柔軟性、下肢の機能、スポーツ活動なども確認します。

必要に応じてレントゲン検査を行い、理学療法士による運動器リハビリテーションやインソールなども組み合わせながら、競技復帰と再発予防まで見据えた治療を行います。

よくある質問

外脛骨があると必ず痛くなりますか?

いいえ。外脛骨があっても痛みがなく、一生症状が出ない方もいます。外脛骨の存在だけでは治療の対象になりません。

有痛性外脛骨は成長痛ですか?

一般的に「成長痛」と呼ばれるものとは異なります。外脛骨周囲に負担がかかることで痛みを生じる疾患です。

外脛骨はなくなりますか?

外脛骨の形態によっては成長過程で舟状骨と癒合することもありますが、成人になっても残る場合があります。外脛骨が残っていても、痛みがなければ必ずしも治療する必要はありません。

有痛性外脛骨は扁平足と関係がありますか?

扁平足を伴う方もいます。足部のアーチや後脛骨筋腱などが症状に関係する場合があるため、足部全体を評価することが重要です。

スポーツを続けても大丈夫ですか?

痛みの程度によって異なります。軽症では運動量を調整しながら継続できる場合もありますが、強い痛みがある場合には一時的な負荷の軽減が必要になることがあります。

監修医

平田 寛明
高槻整形外科・再生医療クリニック 院長

日本再生医療学会認定医
医学博士
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本整形外科学会認定 リハビリテーション医
Accurian® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
Coolief® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医

スポーツ障害から変形性関節症まで幅広い運動器疾患を診療しています。患者様一人ひとりの症状や生活背景に合わせ、保存療法・運動器リハビリテーション・再生医療などから適切な治療をご提案しています。

本ページは医学的知見および実際の診療経験に基づいて作成し、内容を定期的に見直しています。

足の内側の痛みでお困りの方へ

土踏まずの上が出っ張って痛い」「走ると足の内側が痛む」「スポーツをすると繰り返し痛くなる」といった症状は、有痛性外脛骨でみられることがあります。

特に成長期のスポーツ選手では、痛みを我慢して競技を続けるのではなく、原因を評価したうえで適切に負荷を調整することが大切です。

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072ー691ー6870