外反母趾は、足の親指(母趾)が人差し指側へ曲がり、親指の付け根が内側へ突出する変形です。突出した部分が靴に当たって痛むほか、進行すると歩行時の痛みや足裏の痛み、ほかの足趾の変形などにつながることがあります。
「靴を履くと親指の付け根が痛い」「親指が以前より曲がってきた」「自分に合う靴が見つからない」といった症状がある場合には、一度足の状態を確認することをおすすめします。
当院では整形外科専門医が足の形や痛みの場所、歩行状態などを診察し、必要に応じてレントゲン検査を行います。症状や変形の程度に応じて、靴の選び方や運動療法、装具療法などの保存療法から手術適応まで検討します。
外反母趾とは
外反母趾とは、足の親指が人差し指側へ曲がり、親指の付け根にある第1中足骨頭が内側へ突出してくる変形です。
単に親指だけが曲がるのではなく、足部全体の骨格や靱帯、筋肉のバランスなどが関係しています。
軽度では見た目の変化だけで痛みがない場合もありますが、変形が進行すると靴との摩擦による炎症や歩行時痛などを生じることがあります。
外反母趾の主な症状
親指の付け根が痛い
最もよくみられる症状の一つです。
突出した親指の付け根が靴に当たり、赤くなったり腫れたりして痛みを生じることがあります。
足の親指が曲がっている
初期にはわずかな変形でも、徐々に親指が人差し指側へ傾いてくることがあります。
進行すると親指が第2趾の下や上へ入り込むほど変形することもあります。
足の裏が痛い
外反母趾では足にかかる荷重のバランスが変化し、親指以外の中足骨頭部に負担が集中することがあります。
そのため、足裏に痛みや胼胝(たこ)ができることがあります。
靴が履きにくい
足の横幅が広くなったり突出部が靴に当たったりすることで、履ける靴が限られることがあります。
外反母趾の原因
外反母趾は一つの原因だけで起こるわけではなく、さまざまな要因が関係しています。
足の形・変形
足の骨格や関節の形など、生まれ持った要因が外反母趾の発症に関係することがあります。
家族内で外反母趾がみられることもあります。
扁平足などの足部の形態
土踏まずが低下した扁平足や足部の横アーチの変化などが、外反母趾と関連することがあります。
靴による影響
つま先の狭い靴やハイヒールなどは、親指を外側へ圧迫し、前足部への負担を増加させるため、症状を悪化させる要因となることがあります。
ただし、靴だけが外反母趾の原因というわけではありません。
外反母趾の重症度はどのように判断する?
外反母趾は見た目だけではなく、必要に応じてレントゲンで骨の配列を評価します。
代表的な指標が**外反母趾角(Hallux Valgus Angle:HVA)**です。
第1中足骨と母趾基節骨の長軸がつくる角度を測定し、変形の程度を評価します。
一般的には、HVAが20度以上の場合を外反母趾とする基準が日本では用いられています。
さらに第1・第2中足骨間角(M1M2角)なども確認し、足部全体の骨格を評価することがあります。
単に「親指が何度曲がっているか」だけで治療方法を決めるのではなく、痛みや日常生活への影響も含めて判断することが重要です。
外反母趾と扁平足の関係
外反母趾の方では、土踏まずが低下した扁平足を伴っていることがあります。
足部のアーチ構造が変化すると、歩行時に足へかかる力のバランスが変わり、前足部への負担が増えることがあります。
そのため当院では、親指の変形だけを見るのではなく、足部全体の形や荷重状態を確認することが重要と考えています。
→ [扁平足について詳しく見る]
外反母趾の診察・検査
診察では、親指の変形だけでなく、痛みの場所や足裏の胼胝、ほかの足趾の変形なども確認します。
レントゲン検査
外反母趾の変形を詳しく評価するにはレントゲン検査が有用です。
必要に応じて荷重した状態で撮影し、外反母趾角や中足骨の配列、関節の変形などを確認します。
足部全体の評価
外反母趾では、
- 扁平足
- 足部アーチ
- 足関節の柔軟性
- 胼胝の位置
- 歩行状態
なども確認し、親指だけではなく足全体を評価します。
外反母趾の治療
外反母趾があるからといって、すべての方に手術が必要なわけではありません。
痛みや変形の程度、生活への影響などに応じて治療方法を選択します。
靴の見直し
つま先に十分な余裕があり、足に合った靴を選ぶことが重要です。
単に大きな靴を選ぶのではなく、足長や足幅、かかとのフィットなどを確認します。
運動療法
足趾や足部の機能を維持するため、症状に応じて運動療法を行います。
足部だけでなく、足関節や下肢全体の柔軟性・筋力などを確認することも重要です。
装具療法・インソール
足部への負担を調整する目的で、症状や足の状態に応じてインソールなどの装具療法を検討します。
装具によって骨の変形そのものを完全に元に戻すわけではありませんが、痛みや歩行時の負担軽減を目的として使用します。
外反母趾で運動は治りますか?
運動によって、すでに生じた骨格の変形を完全に元の状態へ戻すことは困難です。
一方、足趾の機能や足部の柔軟性を維持し、足への負担を調整することは症状の改善や機能維持に役立つ場合があります。
インターネット上には「〇〇運動をすれば外反母趾が治る」といった情報もありますが、変形の程度や足の状態は一人ひとり異なります。
適切な評価を行ったうえで治療方法を選ぶことが大切です。
外反母趾は放置しても大丈夫?
外反母趾があっても、痛みがなく日常生活に支障がない場合には、必ずしも積極的な治療が必要とは限りません。
一方、
- 変形が徐々に進んでいる
- 靴を履くと痛い
- 歩くと親指が痛い
- 足裏にも痛みが出てきた
- 第2趾なども変形してきた
といった場合には、一度整形外科で状態を確認することをおすすめします。
手術が必要になる場合
保存療法を行っても痛みが強く、歩行や日常生活に支障が続く場合には手術を検討することがあります。
外反母趾の手術には複数の方法があり、変形の程度や骨の配列、関節の状態などによって術式が異なります。
見た目の角度だけで手術の必要性を決めるのではなく、痛みや生活への支障を含めて判断することが重要です。
手術が必要と判断した場合には、適切な専門医療機関へご紹介します。
このような症状はご相談ください
- 足の親指が曲がってきた
- 親指の付け根が出っ張っている
- 靴を履くと親指の付け根が痛い
- 親指の付け根が赤く腫れる
- 足裏にたこができて痛い
- 長時間歩くと足が痛い
- 外反母趾が進行している気がする
- 自分に合う靴が分からない
外反母趾は、変形の角度だけでなく、痛みや足部全体の状態を確認することが重要です。
当院の特徴
当院では整形外科専門医が、親指の変形だけでなく、足部全体の骨格や痛みの場所、歩行状態などを評価します。
必要に応じてレントゲン検査を行い、外反母趾角などを確認します。また、理学療法士と連携して足部・足関節・下肢全体の機能を評価し、運動療法や日常生活でのアドバイスを行います。
症状や変形の程度に応じて保存療法を行い、手術が必要な場合には適切な専門医療機関と連携します。
よくある質問
外反母趾は何度からですか?
日本では一般的に、レントゲンで測定する外反母趾角(HVA)が20度以上の場合を外反母趾とする基準が用いられています。ただし、角度だけで治療の必要性を判断するわけではありません。
外反母趾は靴が原因ですか?
つま先の狭い靴やハイヒールは症状や変形に影響する要因の一つですが、骨格や遺伝的要因、足部の形態など複数の要因が関係しています。
インソールで外反母趾は治りますか?
インソールは足部への負担を調整し、痛みを軽減する目的で使用することがありますが、すでに生じた骨格の変形を完全に元に戻すものではありません。
外反母趾は手術しないと治りませんか?
変形そのものを骨格的に矯正するには手術が必要になることがありますが、痛みがあるすべての方に手術が必要なわけではありません。まず保存療法を検討します。
外反母趾は何科を受診すればいいですか?
外反母趾は足の骨・関節などの運動器疾患ですので、整形外科で診断・治療を行います。
監修医
平田 寛明
高槻整形外科・再生医療クリニック 院長
日本再生医療学会認定医
医学博士
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本整形外科学会認定 リハビリテーション医
Accurian® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
Coolief® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
スポーツ障害から変形性関節症まで幅広い運動器疾患を診療しています。患者様一人ひとりの症状や生活背景に合わせ、保存療法・運動器リハビリテーション・再生医療などから適切な治療をご提案しています。
本ページは医学的知見および実際の診療経験に基づいて作成し、内容を定期的に見直しています。
足の親指の痛み・変形でお困りの方へ
「親指の付け根が痛い」「靴を履くと当たって痛い」「以前より親指が曲がってきた」といった症状がある場合には、一度足の状態を確認することをおすすめします。
当院では、変形の程度だけでなく、足部全体の状態や日常生活への影響を確認したうえで治療方針をご提案します。
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