ー変形性膝関節症による慢性的な痛みに対する治療ー
- 変形性膝関節症の痛みはなぜ起こるのか
- 末梢神経ラジオ波焼灼とは
- このような方はご相談ください
- 治療前に確認が必要な場合
- 治療前に行う診断的神経ブロック
- 超音波ガイド下で治療を行う理由
- 治療当日の流れ
- 治療で期待できること・できないこと
- リスク・副作用
- 保険診療と費用について
- 当院の特徴
- よくある質問
- 末梢神経ラジオ波焼灼療法は当院へご相談ください
- この記事の監修医
高槻市で慢性的な膝の痛みにお悩みの方へ
変形性膝関節症による膝の痛みは、立ち上がりや歩き始め、階段の上り下り、長距離歩行など、日常生活のさまざまな場面に影響します。
薬物療法、ヒアルロン酸注射、運動器リハビリテーションなどを続けても、十分な改善が得られない方も少なくありません。
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、膝の痛みを脳へ伝える感覚神経にラジオ波を用いて働きかけ、慢性的な痛みの軽減を目指す治療です。皮膚を大きく切開する手術ではなく、原則として外来・日帰りで行います。
当院では、膝関節疾患を専門とする院長が、診察、画像検査、これまでの治療経過、生活への影響、診断的神経ブロックの結果などを確認し、治療の適応を慎重に判断します。
「薬や注射を続けても膝が痛い」「歩行や階段がつらい」「手術以外の治療も相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。
変形性膝関節症の痛みはなぜ起こるのか
変形性膝関節症は、加齢、体重、過去のけが、膝の形や使い方などを背景に、膝関節の軟骨がすり減り、骨の変形や関節内の炎症が起こる病気です。
初期には立ち上がりや歩き始めに痛みが出やすく、進行すると階段の上り下りや長距離歩行、安静時にも痛みを感じることがあります。
軟骨のすり減りや炎症による刺激は、膝関節周囲の感覚神経を通じて脳へ伝わり、「痛み」として認識されます。
痛みによる悪循環
膝が痛いと、歩行や運動を避けるようになります。
活動量が低下すると太ももの筋力が落ち、膝を支える力が弱くなります。その結果、膝への負担がさらに増え、痛みが強くなる悪循環に陥ることがあります。
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、この痛みの悪循環を和らげ、身体を動かしやすくするための治療選択肢の一つです。
末梢神経ラジオ波焼灼療法とは
骨や軟骨を元に戻す治療ではありません
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、変形した骨やすり減った軟骨を元の状態へ戻す治療ではありません。
主な目的は、痛みを伝える感覚神経へ働きかけ、膝の痛みを和らげることです。
痛みが軽減することで、歩行、階段昇降、買い物、外出、運動器リハビリテーションなどを行いやすくなることが期待されます。
神経を完全に切断する治療ではありません
名称に「焼灼」とありますが、神経を完全に切断することを目的とした治療ではありません。
治療部位へ適切な温度でラジオ波を加え、痛みを伝える神経の働きを一定期間弱めます。
神経は時間の経過とともに徐々に回復することがあり、それに伴って痛みが再び強くなる場合があります。
このような方はご相談ください
- 変形性膝関節症による痛みが長く続いている
- 飲み薬や湿布だけでは十分に改善しない
- ヒアルロン酸注射を続けても痛みが残っている
- 運動器リハビリテーションを行っても歩行時痛が強い
- 膝の痛みで階段や買い物、外出がつらい
- 夜間や安静時にも膝が痛む
- 人工膝関節手術を勧められたが、すぐには決断できない
- 年齢や持病などから手術に不安がある
- 切開や入院を伴わない治療を検討したい
- 膝の手術後も痛みが残っている
- できるだけ自分の足で歩き続けたい
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、主に変形性膝関節症による慢性的な膝の痛みがあり、薬物療法、注射、運動器リハビリテーションなどで十分な改善が得られない方に検討します。
ただし、すべての膝の痛みに適しているわけではありません。痛みの原因、変形の程度、炎症の有無、神経症状、全身状態などを確認し、適応を判断します。
治療前に確認が必要な場合
- 膝周囲に感染や強い皮膚炎がある
- 出血しやすい病気がある
- 血液を固まりにくくする薬を服用している
- 重い心疾患や全身状態の問題がある
- 局所麻酔薬に強いアレルギーがある
- 痛みの主な原因が変形性膝関節症ではない
- 強い不安定性や神経障害がある
- 緊急性の高い手術が必要と判断される
服用中のお薬や持病については、診察時に必ずお知らせください。
治療が適していない場合には、薬物療法、注射治療、運動器リハビリテーション、装具療法、手術など、ほかの選択肢をご提案します。
治療前に行う診断的神経ブロック
末梢神経ラジオ波焼灼療法を行う前に、治療の適応を判断するため、診断的神経ブロックを行う場合があります。
診断的神経ブロックでは、治療対象となる神経の近くへ少量の局所麻酔薬を注射します。
注射後に膝の痛みがどの程度軽減するかを確認し、痛みの原因となっている神経が適切に特定できているかを判断します。
診断的神経ブロックの目的
診断的神経ブロックは、末梢神経ラジオ波焼灼療法の治療効果を予測するための検査の一つです。
ブロック後に歩行時痛や階段昇降時の痛みが明らかに軽減した場合には、末梢神経ラジオ波焼灼療法でも効果が期待できる可能性があります。
ただし、診断的神経ブロックで痛みが軽減しても、治療効果を保証するものではありません。
最終的な適応は、診察、画像検査、症状の経過、患者様の希望を含めて総合的に判断します。
超音波ガイド下で治療を行う理由
目的とする部位へ慎重にアプローチ
超音波画像で骨や血管を目印にしながら、治療対象となる神経の位置を推定します。
治療用の針を目的とする部位へ進め、位置を確認したうえでラジオ波治療を行います。
周囲の血管や組織を確認
膝関節周囲には、血管、腱、靱帯などの組織があります。
超音波でこれらの位置を確認しながら針を進めることで、周囲の組織に配慮して治療を行います。
放射線被ばくを伴いません
超音波は放射線を使用しないため、治療中の放射線被ばくはありません。
治療当日の流れ
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、原則として外来・日帰りで行います。
所要時間は、準備や治療後の確認を含めて30分から60分程度が目安ですが、治療内容や患者様の状態によって異なります。
1.来院・体調確認
予約時間にご来院いただき、血圧、体温、体調などを確認します。
服用中のお薬、当日の体調変化、治療部位の皮膚状態なども確認します。
2.問診・最終確認
当日の膝の症状を確認し、治療内容、期待できる効果、注意事項、リスクについて改めてご説明します。
不安な点や疑問があれば、遠慮なくご質問ください。
3.消毒・局所麻酔
処置室のベッドに横になり、膝周囲を消毒します。
治療用の針を進める部位へ局所麻酔を行います。局所麻酔の注射時には、針を刺す痛みを感じることがあります。
4.超音波での位置を確認
超音波画像で骨、血管、周囲組織を確認し、治療対象となる神経の位置を推定します。
治療用の針を目的の部位へ慎重に進めます。
5.ラジオ波による治療
針の位置を確認したうえで、一定の温度でラジオ波を加えます。
治療中に熱さ、重だるさ、違和感、痛みなどを感じた場合には、すぐにお知らせください。必要に応じて局所麻酔を追加します。
6.治療後の観察・帰宅
治療終了後は、血圧、体調、治療部位の出血、しびれ、筋力などを確認します。
問題がなければ、歩いてご帰宅いただけます。
治療で期待できること・できないこと
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、膝の痛みを軽減し、日常生活や運動器リハビリテーションを行いやすくすることを目的とした治療です。
効果の程度や持続期間には個人差があります。
期待できること
- 歩行時や階段昇降時の膝の痛みの軽減
- 買い物や外出など日常生活動作の改善
- 夜間痛や安静時痛の軽減
- 運動器リハビリテーションを行いやすくなる
- 痛み止めの使用量を減らせる可能性
- 手術までの期間を過ごしやすくする
- 手術を希望しない方の治療選択肢となる
期待できないこと
- すり減った軟骨を元の状態へ戻す
- 変形した骨を治す
- O脚などの膝の変形を矯正する
- すべての方の痛みを完全になくす
- 効果が永久に続くことを保証する
- 人工膝関節手術を必ず回避する
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、いわゆる「魔法の治療」ではありません。
治療の効果や限界を理解したうえで、患者様の希望や生活目標に合っているかを一緒に検討します。
治療後の過ごし方・リハビリテーション
治療当日は、激しい運動、長時間の入浴、飲酒などを控えてください。
治療部位に軽い痛み、腫れ、内出血、違和感が生じることがあります。多くは一時的ですが、症状が強い場合や長く続く場合にはご連絡ください。
治療翌日以降は、膝の状態に応じて日常生活へ戻っていただけます。
痛みが軽減した後の運動が重要です。
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、痛みを軽減することを目的とした治療です。
痛みが和らいだ後に、膝周囲の筋力、関節の動き、歩き方を改善することで、日常生活機能の向上を目指します。
理学療法士による運動器リハビリテーション
当院では、理学療法士が膝の動き、筋力、歩行、姿勢などを評価します。
患者様の年齢、体力、膝の状態、生活目標に合わせて、無理のない運動療法をご提案します。
体重管理・生活指導
体重や日常生活での活動量は、膝への負担に影響します。
運動量、歩き方、杖や装具の使用、体重管理についても、無理のない範囲でご提案します。
リスク・副作用
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、皮膚を大きく切開しない治療ですが、医療行為である以上、リスクや副作用が全くないわけではありません。
治療前に起こり得る症状についてご説明し、同意をいただいたうえで治療を行います。
内出血・腫れ・痛み
針を刺すため、治療部位に内出血、腫れ、押したときの痛みが生じることがあります。
多くは数日程度で改善しますが、症状が強い場合にはご連絡ください。
痺れ・感覚の変化
治療した神経の周囲に、一時的なしびれや感覚の違和感が残ることがあります。
多くは時間の経過とともに改善しますが、症状が長く続く場合には診察が必要です。
感染
非常にまれですが、針を刺した部分から感染が起こる可能性があります。
発熱、強い腫れ、赤み、熱感、膿などがある場合には、速やかにご連絡ください。
出血
血液を固まりにくくする薬を服用している方は、出血のリスクが高まることがあります。
服用中のお薬について、事前に必ずお知らせください。
アレルギー反応
局所麻酔薬などに対して、まれにアレルギー反応が起こることがあります。
過去に薬剤アレルギーを起こしたことがある方は、必ずお申し出ください。
一時的な力の入りにくさ
治療後、一時的に膝周囲の違和感や足に力が入りにくい感覚が生じる場合があります。
転倒に注意し、症状が強い場合にはスタッフへお知らせください。
保険診療と費用について
末梢神経ラジオ波焼灼療法は、一定の要件を満たす場合に健康保険を用いて受けられます。
適応となる病状や、これまでに受けた治療内容などを確認したうえで、保険診療の対象となるかを判断します。
患者様の自己負担額は、健康保険の負担割合、同月に受けたほかの診療、検査や薬剤の内容などによって異なります。
高額療養費制度の対象となる場合もあります。
詳しい費用については、診察時または受付へご確認ください。
当院の末梢神経ラジオ波焼灼療法の特徴
膝関節疾患を専門とする院長が適応を判断
膝の痛みは、変形性膝関節症だけでなく、半月板損傷、骨壊死、炎症性疾患、神経障害など、さまざまな原因で起こります。
当院では、膝関節疾患を専門とする院長が診察や画像検査を行い、末梢神経ラジオ波焼灼療法が適しているかを判断します。
Coolief®・Accurian®を用いた治療経験
院長は、Coolief®およびAccurian®を用いた末梢神経ラジオ波焼灼療法の治療経験を有しています。
機器の特徴や治療手技を理解したうえで、患者様の膝の状態や症状に応じた治療を行います。
超音波ガイド下で慎重に治療
当院では、超音波画像で骨、血管、周囲組織を確認しながら、目的となる神経付近へ慎重に針を進めます。
患者様ごとの身体のつくりに合わせて位置を調整します。
治療後のリハビリテーションまで対応
痛みを軽減するだけでなく、その後に歩行能力や筋力を改善することが重要です。
当院では、理学療法士と連携し、治療後の運動器リハビリテーションまで継続して支援します。
必要な場合には適切に手術へつなぎます
当院では、手術を避けることだけを目的としていません。
病状によって人工膝関節置換術や骨切り術などの手術が適している場合には、その理由やメリット、注意点をご説明し、連携医療機関へ適切にご紹介します。
患者様が納得して治療を選べることを大切にしています。
よくある質問
治療中は痛みを感じますか?
局所麻酔の注射時には、針を刺す痛みがあります。
また、治療中に熱さ、重だるさ、違和感を感じることがあります。強い痛みを感じた場合には、局所麻酔を追加するなどして対応します。
神経を焼いても大丈夫ですか?
神経を完全に焼き切ることを目的とした治療ではありません。
痛みを伝える感覚神経の一部へ適切な温度で働きかけ、痛みの信号を伝わりにくくします。
筋肉を動かす運動神経そのものを対象とする治療ではありません。
治療後すぐに歩けますか?
治療後に体調、足の感覚、筋力などを確認し、問題がなければ歩いてご帰宅いただけます。
一時的に違和感や力の入りにくさがある場合には、転倒に注意してください。
高齢でも受けられますか?
年齢だけで治療の可否を決めるわけではありません。
全身状態、持病、服用中のお薬、膝の状態などを確認し、安全に治療できるかを判断します。
効果はいつから現れますか?
効果の現れ方には個人差があります。
治療直後から変化を感じる方もいれば、数週間から数か月かけて痛みの変化を感じる方もいます。
効果はどのくらい続きますか?
効果の持続期間には個人差があります。
一定期間にわたり痛みの軽減が続くことが期待されますが、神経の働きが徐々に回復すると、再び痛みが強くなる場合があります。
効果がなくなったら再治療できますか?
膝の状態、前回の治療効果、治療からの期間などを確認したうえで、再治療を検討できる場合があります。
再治療だけでなく、リハビリテーション、注射治療、手術なども含めて治療方針を見直します。
治療後にリハビリは必要ですか?
必須ではありませんが、痛みが軽減した後に膝周囲の筋力や歩行能力を改善することは重要です。
当院では、患者様の状態に合わせて運動器リハビリテーションをご提案します。
一度同意したら途中でやめられませんか?
治療前であれば、いつでも中止できます。
検査や準備が進んでいる場合でも、気持ちが変わった場合には医師またはスタッフへお申し出ください。
人工膝関節手術を勧められていても相談できますか?
ご相談いただけます。
診察や画像検査を確認し、末梢神経ラジオ波焼灼療法を含む手術以外の治療が適しているかを検討します。
ただし、病状によっては手術が最も適している場合もあります。メリットと注意点をご説明し、納得できる治療方針を一緒に考えます。
末梢神経ラジオ波焼灼療法は当院へご相談ください
変形性膝関節症による膝の痛みは、同じ病名であっても、症状の強さ、変形の程度、生活への影響、患者様が目指す生活によって、適した治療が異なります。
当院では、膝関節疾患を専門とする院長が痛みの原因を見極め、薬物療法、注射治療、運動器リハビリテーション、末梢神経ラジオ波焼灼療法、再生医療、必要に応じた手術紹介まで、一人ひとりに合わせた治療方針をご提案します。
「歩くのがつらい」「階段を避けるようになった」「薬や注射では十分に改善しない」「手術以外の治療も相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。
この記事の監修医
平田 寛明
高槻整形外科・再生医療クリニック 院長
日本再生医療学会認定医
医学博士
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本整形外科学会認定 リハビリテーション医
Accurian® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
Coolief® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
膝関節疾患やスポーツ障害をはじめ、変形性関節症など幅広い運動器疾患を診療しています。患者様一人ひとりの症状や生活背景、「スポーツに復帰したい」「できるだけ手術を避けたい」などの目標に合わせ、保存療法・運動器リハビリテーション・再生医療などから適切な治療をご提案しています。
本ページは医学的知見および実際の診療経験に基づいて作成し、内容を定期的に見直しています。
変形性膝関節症の痛みを「年齢のせいだから仕方ない」と考え、我慢して生活されている方は少なくありません。
しかし、同じ変形性膝関節症でも、痛みの原因や生活への影響は一人ひとり異なります。
薬や注射、リハビリテーションだけでは十分な改善が得られない場合でも、末梢神経ラジオ波焼灼療法によって、歩行や日常生活が楽になる可能性があります。
一方で、この治療は軟骨や骨の変形を元に戻す治療ではなく、すべての方に同じ効果が得られるものでもありません。
当院では、治療を無理に勧めるのではなく、患者様の症状、画像所見、生活背景、希望を確認し、期待できる効果と限界、リスクについて十分にご説明します。
手術を避けることだけを目的とせず、手術が適している場合には、その理由も含めてお伝えします。
患者様が納得して治療を選び、少しでも自分らしい生活を続けられるよう支援していきます。
最終更新日:2026年8月2日
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