半月板損傷は、膝関節の中でクッションの役割を担う半月板が傷つき、膝の痛み、腫れ、引っかかり、曲げ伸ばしのしにくさなどを生じる疾患です。スポーツ中のひねり動作で起こることもあれば、加齢に伴って半月板が弱くなり、はっきりしたけががなくても発症することがあります。

半月板損傷があっても、すべての方に手術が必要なわけではありません。症状、年齢、活動量、損傷の形、変形性膝関節症の有無などを総合的に評価し、薬物療法、注射、運動器リハビリテーション、装具療法、必要に応じた手術紹介などから適切な治療を選ぶことが重要です。

高槻整形外科・再生医療クリニックでは、膝関節疾患の診療経験を持つ整形外科専門医が診察し、患者様の生活やスポーツ活動、今後の目標に合わせて治療方針をご提案します。

半月板とは

半月板は、大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨で、膝の内側と外側にそれぞれ存在します。

膝へ加わる衝撃を分散するクッションの役割だけでなく、関節の安定性を保つ、関節軟骨への負担を軽減する、膝の動きを滑らかにするといった重要な働きがあります。

半月板が損傷すると、膝関節に加わる負担が増え、痛みや腫れ、引っかかりなどの症状が生じることがあります。

半月板損傷とは

半月板損傷とは、膝関節の中にある半月板に亀裂や断裂が生じた状態です。

スポーツ中に膝をひねって急に発症する場合もあれば、加齢による半月板の変性を背景として、立ち上がりやしゃがみ込みなどの日常動作をきっかけに症状が現れる場合もあります。

損傷があっても症状が軽い方もいるため、画像所見だけで治療を決めるのではなく、痛みの場所、腫れ、可動域、膝の安定性、日常生活への影響を合わせて判断することが大切です。

半月板損傷の主な症状

半月板損傷では、次のような症状がみられます。

  • 膝の内側または外側が痛い
  • 膝を曲げ伸ばしすると引っかかる
  • 階段やしゃがみ込みで痛む
  • 膝に水がたまる
  • 膝が腫れる
  • 膝が完全に伸びない
  • 膝が抜けるように感じる
  • スポーツ中のひねり動作で痛む
  • 膝がロックして動かなくなる

症状は損傷の形や部位、変形性膝関節症の有無によって異なります。

半月板損傷の原因

半月板損傷の原因は、大きく外傷と加齢性変化に分けられます。

スポーツでは、膝を曲げた状態で身体をひねる、急停止する、方向転換する、相手と接触するといった動作で半月板へ強い力が加わり、損傷することがあります。

一方、中高年では半月板の組織が徐々に弱くなり、立ち上がり、しゃがみ込み、階段、方向転換などの比較的軽い動作でも損傷することがあります。

前十字靱帯損傷など、他の膝外傷に半月板損傷を伴う場合もあります。

外傷性半月板損傷と変性半月板損傷の違い

外傷性半月板損傷

外傷性半月板損傷は、スポーツや転倒などで膝を強くひねった際に生じます。若年者やスポーツ選手に多く、受傷した瞬間が比較的はっきりしていることが特徴です。

変性半月板損傷

変性半月板損傷は、加齢に伴って半月板が弱くなった状態で生じます。明らかなけががなくても、立ち上がりやしゃがみ込みをきっかけに症状が出ることがあります。

変形性膝関節症を伴っている場合も多いため、半月板だけでなく、軟骨の状態や脚のアライメントも含めて評価します。

内側半月板損傷と外側半月板損傷

半月板は膝の内側と外側にあり、損傷した部位によって症状の出る場所が異なります。

内側半月板損傷では、膝の内側の痛みや引っかかりがみられることが多く、中高年の変性損傷でもよくみられます。

外側半月板損傷では、膝の外側に痛みが出ることがあり、円板状半月板などの形態異常を背景に症状が現れる場合もあります。

痛みの位置だけで断定せず、診察所見や画像検査を合わせて判断します。

受診をおすすめする症状

次のような症状がある場合は、早めに整形外科を受診してください。

  • 膝がロックして伸びない
  • 強い痛みで歩けない
  • 膝が急に大きく腫れた
  • 膝をひねった後から不安定感がある
  • 膝の曲げ伸ばしが大きく制限されている
  • スポーツ中の受傷後から症状が続いている
  • 痛みや水がたまる症状を繰り返している

特に膝が動かなくなるロッキングでは、損傷した半月板が関節内に挟み込まれている可能性があるため、早めの評価が必要です。

当院で行う診察・検査

診察では、痛みの部位、腫れ、関節水腫、可動域、圧痛、膝の安定性などを確認します。

必要に応じて、半月板に負荷をかける徒手検査を行い、前十字靱帯や内側側副靱帯など他の組織の損傷がないかも評価します。

レントゲン検査では、骨折や変形性膝関節症、関節裂隙、脚のアライメントなどを確認します。半月板そのものはレントゲンには写りにくいため、損傷の詳細を確認する必要がある場合にはMRI検査が有用です。

MRIが必要と判断した場合は、撮影可能な医療機関へご紹介します。

半月板損傷の治療

半月板損傷があっても、すべての方に手術が必要なわけではありません。

症状が軽い場合や変性半月板損傷では、まず保存療法を行うことが一般的です。

当院では、症状や生活背景に応じて、

などを組み合わせます。

痛みの原因が半月板だけではなく、変形性膝関節症や筋力低下、脚のアライメントにある場合には、それらも含めて治療します。

リハビリテーションの役割

半月板損傷では、膝を支える筋力や関節の動きを整えることが重要です。

当院では、

  • 膝の腫れや痛みの軽減
  • 膝関節の可動域改善
  • 大腿四頭筋や臀部筋の強化
  • 股関節・足関節の機能改善
  • 歩行や階段動作の練習
  • スポーツ動作の改善

などを行います。

半月板の画像所見だけにとらわれず、患者様が「どの動作で困っているか」「どこまで復帰したいか」を確認しながらリハビリテーションを進めます。

手術が必要になる場合

半月板損傷の多くは保存療法から治療を開始できますが、次のような場合には手術を検討することがあります。

  • 膝がロックして動かない
  • 保存療法を続けても強い症状が残る
  • 若年者の修復可能な半月板損傷
  • スポーツ復帰に支障となる症状が続く
  • 前十字靱帯損傷などを合併している
  • 関節内で半月板が大きく転位している

手術には半月板縫合術や半月板部分切除術などがあります。半月板は膝関節を守る重要な組織であるため、可能であれば温存を検討します。

手術が必要と判断した場合は、病態や希望に応じて適切な医療機関へご紹介します。

スポーツ復帰までの流れ

スポーツ復帰は、痛みがなくなったことだけで判断しません。

膝の腫れ、可動域、筋力、片脚動作、ジャンプ、着地、方向転換などを段階的に評価しながら競技復帰を進めます。

保存療法の場合と手術後では復帰までの流れが異なるため、損傷の状態や競技特性に合わせた計画が必要です。

焦って復帰すると再び痛みや腫れが出ることがあるため、競技復帰後の再発予防まで見据えてサポートします。

再生医療を検討する場合

半月板損傷に対する再生医療は、すべての患者様に適しているわけではありません。

PRP療法などが検討されることもありますが、損傷の形、部位、変形性膝関節症の程度、ロッキングの有無などによって適応は異なります。関節内に半月板が挟み込まれている場合や、機械的な症状が強い場合には、注射治療だけでは解決できないことがあります。

当院では、まず診察と画像検査で病態を評価し、保存療法、手術、再生医療のどれが適しているかを慎重に判断します。

当院の特徴

高槻整形外科・再生医療クリニックでは、膝関節疾患の診療経験を持つ日本整形外科学会認定整形外科専門医が診察を担当します。

半月板損傷では、MRI画像だけで手術の必要性を判断するのではなく、症状、年齢、活動量、膝関節の変形、患者様の目標を総合的に評価します。

薬物療法や注射、運動器リハビリテーション、再生医療、手術が必要な場合の専門医療機関への紹介まで、病態に応じた治療選択をご提案します。

よくある質問

半月板損傷は自然に治りますか?

損傷した部位や血流、損傷の形によって異なります。症状が保存療法で改善する方も多い一方、ロッキングや強い引っかかりが続く場合には手術が必要になることがあります。

MRIで半月板損傷があれば手術が必要ですか?

MRIで半月板損傷が見つかっても、必ず手術が必要とは限りません。痛みや引っかかり、膝の変形、日常生活への影響などを総合的に判断します。

半月板損傷でも歩いてよいですか?

痛みや腫れが軽度であれば歩行できる場合もあります。ただし、強い痛みやロッキングがある場合は無理をせず受診してください。

膝に水がたまるのは半月板損傷が原因ですか?

半月板損傷によって関節内に炎症が起こり、水がたまることがあります。ただし、変形性膝関節症、軟骨損傷、靱帯損傷などでも水がたまるため、原因を確認する必要があります。

スポーツを続けながら治療ができますか?

損傷の状態や症状によります。練習内容を調整しながら継続できる場合もありますが、ロッキングや腫れを繰り返す場合には一時的な休止が必要です。

半月板損傷にPRP療法は有効ですか?

一部の症例で検討されることはありますが、すべての損傷に有効とは限りません。特に転位した損傷やロッキングがある場合は、他の治療が優先されることがあります。

監修医

平田 寛明
高槻整形外科・再生医療クリニック 院長

日本再生医療学会認定医
医学博士
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本整形外科学会認定 リハビリテーション医
Accurian® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
Coolief® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医

膝関節疾患やスポーツ障害をはじめ、変形性関節症など幅広い運動器疾患を診療しています。患者様一人ひとりの症状や生活背景、「スポーツに復帰したい」「できるだけ手術を避けたい」などの目標に合わせ、保存療法・運動器リハビリテーション・再生医療などから適切な治療をご提案しています。

本ページは医学的知見および実際の診療経験に基づいて作成し、内容を定期的に見直しています。

膝の痛み・引っかかりでお困りの方へ

膝を曲げ伸ばしすると痛い、引っかかる、腫れる、膝が伸びきらないといった症状は、半月板損傷によって起こることがあります。

症状や損傷の状態によって治療方針は異なります。手術が必要かどうかも含めて、適切な治療方法を検討します。

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