首から肩、腕、手にかけて痛みやしびれが続く場合、「頸椎症性神経根症」が原因となっていることがあります。
頸椎症性神経根症は、加齢などによって首の骨や椎間板が変化し、首から腕へ向かう神経が圧迫・刺激されることで症状を起こす疾患です。肩の病気と間違われることもあり、症状が強くなると腕に力が入りにくくなることもあります。
高槻整形外科・再生医療クリニックでは、整形外科専門医が首だけでなく肩や上肢の状態も診察し、症状の原因を評価します。薬物療法や運動器リハビリテーションなどを組み合わせ、症状や生活状況に応じた治療をご提案します。
頚椎症性神経根症とは
頸椎症性神経根症とは、首の骨である「頸椎」や椎間板などが加齢に伴って変化し、脊髄から枝分かれして腕へ向かう「神経根」が圧迫・刺激されることで起こる疾患です。
首そのものの痛みだけでなく、神経に沿って肩甲骨周囲から肩、腕、手指まで痛みやしびれが広がることが特徴です。
頚椎症性神経根症の主な症状
代表的な症状は、首から肩・腕・手にかけての痛みやしびれです。
- 首の痛み・こり
- 肩甲骨周囲の痛み
- 肩から腕にかけての痛み
- 腕や手のしびれ
- 指先のしびれ
- 腕に力が入りにくい
- 首を後ろに反らすと症状が強くなる
などがみられます。
どの神経根が障害されているかによって、痛みやしびれが出る場所、筋力低下の部位などが異なります。
頚椎症性神経根症の原因
加齢などによって椎間板が変性したり、頸椎に骨棘と呼ばれる骨の突出が形成されたりすると、神経根の通り道が狭くなることがあります。
椎間板の変性
頸椎の間にある椎間板は、年齢とともに水分量や弾力性が低下します。椎間板が変性すると頸椎にかかる負担が変化し、神経を圧迫する原因となることがあります。
骨棘の形成
頸椎の変性が進むと骨の縁に「骨棘」が形成されることがあり、神経根の通り道を狭くする原因となります。
肩の病気との違い
「肩から腕が痛い」という症状は、頸椎症性神経根症だけでなく、腱板断裂や五十肩、石灰沈着性腱板炎などの肩関節疾患でも起こります。
頸椎症性神経根症では、首の動きによって腕の痛みやしびれが変化したり、症状が手指まで広がったりすることがあります。
一方、肩関節疾患では肩そのものの動きで痛みが強くなる傾向があります。
首が原因なのか、肩が原因なのか、あるいは両方なのかを診察で見極めることが重要です。
手根管症候群などとの違い
手のしびれがあるからといって、必ずしも原因が首にあるとは限りません。
手根管症候群や肘部管症候群など、腕や手の末梢神経が圧迫されても手指のしびれが生じます。
しびれている指や範囲、筋力、反射などを確認し、どこで神経が障害されている可能性が高いのかを評価します。
頚椎症性脊髄症との違い
似た名前の疾患に「頸椎症性脊髄症」があります。
頸椎症性神経根症は、主に首から腕へ向かう神経根が障害される疾患です。
一方、頸椎症性脊髄症では、頸椎の中を通る脊髄そのものが圧迫されます。
このような症状には注意が必要です
- 箸が使いにくくなった
- ボタンを留めにくい
- 字が書きにくい
- 両手がしびれる
- 歩きにくい
- 足がもつれる
- 階段を降りにくい
こうした症状がある場合には、脊髄が圧迫されている可能性もあるため、早めの評価が重要です。
受診をおすすめする症状
首・肩・腕の痛みやしびれが続く場合には、整形外科への受診をおすすめします。
特に、
- 痛みやしびれが徐々に強くなっている
- 手や腕に力が入りにくい
- 物を落とすことが増えた
- 両手にしびれがある
- 細かい作業がしにくくなった
- 歩きにくさも感じる
といった症状がある場合には、早めにご相談ください。
当院で行う診察・検査
症状の部位や経過を確認したうえで、首の可動域、筋力、感覚、腱反射などを診察します。
肩関節疾患や末梢神経障害との鑑別も重要です。
レントゲン検査
頸椎の配列、椎間板の狭小化、骨棘などの変化を確認します。
MRI検査
神経根や脊髄の圧迫を詳しく評価する必要がある場合にはMRI検査が有用です。
MRI検査が必要と判断した場合には、撮影可能な医療機関へご紹介します。
頚椎症性神経根症の治療
頸椎症性神経根症では、症状や神経障害の程度を評価しながら治療方法を選択します。
薬物療法
痛みや炎症に対する消炎鎮痛薬や、神経障害性疼痛に対する薬などを症状に応じて使用します。
運動器リハビリテーション
首だけを見るのではなく、姿勢や肩甲骨周囲、胸郭なども含めて評価し、症状に合わせたリハビリテーションを行います。
装具療法・その他保存療法
症状によっては頸椎カラーなどを使用する場合もあります。必要性を診察したうえで判断します。
当院の運動器リハビリテーション
デスクワークやスマートフォン操作などで前かがみの姿勢が続くと、首や肩周囲に負担がかかります。
当院では理学療法士が、
- 頸部・肩甲骨周囲の状態
- 姿勢
- 胸郭の動き
- 肩関節の可動域
- 筋力
- 日常生活や仕事での動作
などを評価します。
単に首を揉むだけではなく、症状の原因や身体機能を評価し、再発予防まで考えた運動器リハビリテーションを行います。
手術が必要になることはありますか?
頸椎症性神経根症では保存療法で症状が改善することも多く、すべての患者様に手術が必要になるわけではありません。
ただし、強い痛みが続く場合や筋力低下が進行する場合、脊髄症を伴う場合などには手術が検討されることがあります。
手術が必要と判断した場合には、適切な専門医療機関へご紹介します。
当院の特徴
当院では整形外科専門医が、首だけでなく肩関節や末梢神経を含めて診察します。
特に「肩が痛いと思っていたら首が原因だった」「手のしびれの原因が分からない」というケースでは、症状が出ている場所だけを見るのではなく、どこで神経が障害されているのかを考えることが重要です。
診断から薬物療法、運動器リハビリテーション、必要に応じた専門医療機関への紹介まで対応します。
よくある質問
頚椎症性神経根症は自然に治りますか?
症状が時間とともに軽快する方もいます。一方で、痛みやしびれが長期間続いたり、筋力低下がみられたりする場合には医療機関での評価が必要です。
肩が痛いのですが、首が原因のこともありますか?
あります。頸椎症性神経根症では肩や肩甲骨周囲に痛みが出ることがあります。肩関節疾患との鑑別が重要です。
手がしびれる場合は頚椎症性神経根症ですか?
必ずしもそうではありません。手根管症候群や肘部管症候群などでも手のしびれが起こるため、しびれの範囲や筋力、反射などから原因を評価します。
マッサージをしても大丈夫ですか?
症状や原因によって異なります。神経症状がある場合には、自己判断で強く首を揉んだり無理に動かしたりせず、一度診断を受けることをおすすめします。
監修医
平田 寛明
高槻整形外科・再生医療クリニック 院長
日本再生医療学会認定医
医学博士
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 スポーツ医
日本整形外科学会認定 リハビリテーション医
Accurian® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
Coolief® 末梢神経ラジオ波焼灼療法 認定医
膝関節疾患やスポーツ障害をはじめ、変形性関節症など幅広い運動器疾患を診療しています。患者様一人ひとりの症状や生活背景、「スポーツに復帰したい」「できるだけ手術を避けたい」などの目標に合わせ、保存療法・運動器リハビリテーション・再生医療などから適切な治療をご提案しています。
本ページは医学的知見および実際の診療経験に基づいて作成し、内容を定期的に見直しています。
首・肩・腕の痛みや手のしびれでお困りの方へ
首から肩・腕にかけての痛みや手のしびれは、頸椎だけでなく肩関節や末梢神経など、さまざまな原因によって起こります。
「首を動かすと腕まで痛む」「手のしびれが続いている」「腕に力が入りにくい」などの症状がある方は、お気軽にご相談ください。
お電話での予約は
072ー691ー6870